ママコノシリヌグイを長良川の水辺近くの叢で見かけた!

 タデ科の仲間のうち、棘があって触るのが難しい種類はいくつかありますが、その最強ともいえるものの中にママコノシリヌグイ、イシミカワ、サデグサ等があります。棘それぞれが茎などに逆さに出ていて、素手ではとても触れない風情を醸し出しています。

 この三つのうち、天童ではママコノシリヌグイと、イシミカワを見かけていました。イシミカワの数は多くありませんでしたが、蟹江周辺ではそこら中にイシミカワを見かけます。たママコノシリヌグイは天童の方が多く、蟹江周辺では海津市のハリヨ公園近くの叢でしか見かけていなかったのです。

 ●7月1日に見かけたママコノシリヌグイ

 

 サデグサは蟹江周辺で時々見かけますが、花の付き方がママコノシリヌグイとそっくりで、その違いが分かるまで二年ほどかかりました。でも徐々に葉の形の違いなどで区別できるようになりましたが、蟹江周辺でしか見かけていません。地域差があるようです。

●昨年秋に見かけたママコノシリヌグイ

 

 ママコノシリヌグイとはとんでもない名前の付け方です。今ならパワハラといって非難されるほどのネーミングです。

 「ヘンな名前の植物」(藤井義晴 化学同人)では、「ママコノシリヌグイとはひどい名前ですが、韓国でも嫁いびりに関係した名前の『嫁の尻拭き草』と呼ばれています。ママコノシリヌグイはトゲのある茎で他の植物に寄りかかりながら伸びます。つるの長さは一~二メートル程度です。茎は四角形をしており、その角にそって下向きのトゲが並んでいます。なぜこの草を『継子の尻ぬぐい』と呼ぶのでしょうか。これは昔の日本でのお尻の拭き方がわからないと理解できません。かつて日本では、紙を使わずに『縄』で拭いていました。縄は少しずつずらして使うそうです。名古屋の植物園のトイレには復元した『縄』が置いてあると聞きましたが、確かめていません。昔の人はこのように縄でお尻を拭いていたので、この縄にもしトゲトゲがあったら痛いだろうなと考えたようです。自分の子供にはかわいそうだけれど、自分の遺伝子を持たない継子にならやりかねないと昔の人は考えたのでしょう。継子は自分と血のつながりがない子供であり、動物は本能的に自分の遺伝子だけを残したいと考え、継子を大切にしないようです。」と記されています。

 ●似ているサデグサ

 

 私の中で、ママコノシリヌグイは七月末から八月初め頃から見られるという思い込みがありました。とにかくイヌタデにしても秋口になって見かけるようになるからです。そこで、私は「タデ科植物は秋に花が咲く」という規則を作りました。

でもイシミカワの若い実を六月後半から見かけるので、私のこの規則は、必ずしも当たっている訳ではないのです。更に言えば、ハルタデは四月末頃から見かけるようになるので、この規則は万能ではないことは事実です。でも他のタデ科、例えばアキノウナギツカミ、ミゾソバ、ヤナギタデなどは秋に花が咲き出すので、六割位は当たる規則と考えられます。規則性はその確率が六割も該当すれば、作る価値はあるのではないかと思っています。

 先日七月一日に長良川の土手と川の間の水辺近くの叢で、ママコノシリヌグイを見かけました。こんな早い時期に、しかも長良川に生えているなんてと驚いたのです。葉の形が三角形で托葉があることから、ママコノシリヌグイであると分かりました。この暑さの中で色々と歩き回っていると、偶然に新しい動植物に出会えることがあり、それがこの写真撮りの醍醐味だろうなと思っています。

(タデ科 タデ属)

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