アオハダトンボの交尾態と産卵の仕方を観察できた!
今年になって南濃町津屋の湧水池から流れる用水路でアオハダトンボを人生で初めて見かけました。この池はハリヨが棲息している池で、この一帯は海津市の天然記念物に指定されています。この清水沼から津屋川まで流れる用水路にはセキショウモが沢山生えていて、その一部は水上にも出ています。その辺りでアオハダトンボのオスが1匹とメスが4匹ほど見かけました。
●アオハダトンボのオスの飛翔



私は写真撮りに歩き回っていますが、動植物の出会いは一期一会だと思っています。今日見かけた動植物が次の日に行くと、全くいなくなったり状況が変わったりしているのです。今年ハリヨ公園で見かけたオドリコソウの群生している様子を写真に撮りましたが、数日後写真に撮ろうと出かけたら、草刈りされていて殆どなくなってしまっていました。そんなことが頻繁に起こるのです。
初めて見かけたアオハダトンボを少しでも写真や動画に残しておきたいと思ったことと、「日本のトンボ」(尾園暁 川島逸郎 二橋亮 文一総合出版)には成虫の発生時期が6月初め~7月半ばまでとなっているので、6月下旬なら、交尾や産卵をしている様子を撮れるかも知れないと思って出かけたのです。
6月初旬に見かけた時は、縄張り内でオスが1匹、メスは4匹ほどいましたが、交尾態は見かけませんでした。まだメスが成熟していなかったからだろうと思われます。
●アオハダトンボの交尾態


その後、きっとメスが成熟して交尾態になるのではないかと思っていたのです。ちょうどお昼過ぎでしたが、その時は交尾態は見られませんでした。そこで清水池の方まで行って写真を撮り、元も場所に戻って来ると、オスとメスが近くで飛びあっています。すると、オスが水面に体を浮かせて水に流されていき、そこから飛び上がったのです。それをメスが見ています。
少し経つとメスも同じように水面に体を落として流れていきます。そんなことがあってから、オスとメスがセキショウモの折れた茎の上に寄り添ってとまってから、交尾態になりました。初めてアオハダトンボの交尾態を見かけました。夢中で写真と動画を撮りました。するとしばらくすると交尾態が外れて別れてから、お互いが飛んで、また近づいて顔をつき合わせるようしてとまったのです。
・アオハダトンボのオスとメスが見合う



その後メスは水面下のセキショウモに潜って掴まっています。川の流れで水中で翅が揺れています。しばらくするとメスはセキショウモの反対側に移動して、姿が完全に見られなくなりました。水中産卵するようです。その近くでは、オスがセキショウモにとまって様子を見ていました。時々翅を開いたり閉じたりして、ずーっとその場にいます。
・アオハダトンボのメスが潜水産卵に入る



私もメスが水面上に出てくるのを待っていたのですが、15分位経っても水面上に出てくる様子は見られませんでした。そこであきらめて帰ってきました。以前、桑名市の多度峡でミヤマカワトンボのメスの産卵でも、水中に潜っていったことを思い出しました。
縄張りを守るオス同士のせめぎ合いの攻防も激しいものですが、産卵するメスの負担も凄いものだと感心してしまったのです。生きて子孫を残す作業は、どんな種類の動物でも大変らしいと感じてしまったのでした。それに較べてノー天気なのは人間だけかも知れませんね。
(カワトンボ科 アオハダトンボ属)