いつか会いたかったアオハダトンボを偶然見かけた!
カワトンボの仲間(イトトンボを大きくしたような)で、小さい時から親しんできたのはハグロトンボです。今では蟹江周辺では殆ど見かけることができなくなりました。絶滅してしまったと思っていたのです。
ところが海津市のハリヨ公園やその周辺の杉林の下草が生える場所で、ハグロトンボを見かけます。時々見かけるというよりは、かなりの数が棲息しているのを見かけるのです。秋口になると、ハリヨ公園内の遊水地から、津屋川に流れる浅瀬に生えるセキショウモが水面に出ているところで、盛んにメスが産卵している姿を見かけます。夏には公園内の樹林や薄暗い叢にもいて、ハグロトンボが多数生息していることが分かります。
これまでカワトンボは、ハグロトンボの他に、ニホンカワトンボ、ミヤマカワトンボを天童周辺で見かけていたのですが、ミヤマカワトンボは桑名市の多度峡でも見かけました。日本全国に棲息しているようです。
ところがアオハダトンボはこれまで見かけたことがありません。写真や図鑑では見ているものの、実物には出会っていなかったのです。2018年NHK大河ドラマ「西郷どん」の始めの映像部分に、アオハダトンボが映し出されていました。いつかこのアオハダトンボの実物に出会いたいと、ずーっと思っていたのです。
●アオハダトンボのオス



先日(6月13日)にハリヨ公園の駐車場に車を置いて、津屋川の土手に出てから、ハリヨが生息する清水池の方に行ってみました。池から流れる用水路に綺麗な水が勢いよく流れていました。底にはセキショウモだと思われる水草が揺れています。少し水の流れが緩んだところで、セキショウモが水面に出ています。その場所でハグロトンボかと思うカワトンボを見かけました。
●アオハダトンボのメス



てっきりハグロトンボだと思い込んでいたのですが、その翅を開いた様子が濃いブルーでとても綺麗だったのです。メスと思われるカワトンボの翅の先端に白い斑紋が見られました。一瞬でハグロトンボとは違うと思いました。その開いた翅の美しさに引きずられて何枚も写真を撮りました。この辺りはハグロトンボの優勢地なので、ハグロトンボだと思い込んでいたのです。
●オスの腹部9節と10節の腹面が白い



家に帰って、「日本のトンボ」(尾園暁 川島逸郎 二橋亮 文一総合出版)で確かめると、アオハダトンボに違いがないことが分かりました。アオハダトンボの分布域は、岐阜県も入っています。アオハダトンボのオスの腹部9節と10節の腹面が白い、メスの翅の偽縁紋がある、メスの前翅の色が淡いと記されています。写真を撮ったカワトンボは、その条件を満たしています。
●メスの偽縁紋が白い



帰りにハリヨ公園にいきましたが、ハグロトンボは1匹も見かけませんでした。成虫の発生時期がアオハダトンボは6月~7月半ば、ハグロトンボは6月下旬~9月初旬となっています。私が見かけた時はハグロトンボの発生時期ではなかったのです。
人生があるうちに、アオハダトンボが見られたらと願っていたのですが、今回偶然に達せられたのです。本当に幸運だったと思ってしまいました。
(カワトンボ科 アオハダトンボ属)