コムラサキのオスのせめぎ合いはとても凄まじい!

 今年(2025年)の6月8日に愛西市立田の木曽川東岸川沿いのヤナギが生えているところに行きました。昨年、この季節にコムラサキを見かけていたからです。

  ・コムラサキが葉の上にとまる

 

 コムラサキの幼虫の食草はヤナギ科の植物です。「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)には「ネコヤナギ、オノエヤナギ、カワヤナギ、バッコヤナギ、シダレヤナギ、ドロノキなど」と記されています。シダレヤナギ以外は、今のところ区別ができません。これまでの経験から「ヤナギは川の水辺近くに生え、その葉の裏は白っぽく、幹は縦に裂けて鱗状になっている」という規則を作っています。

 昨年、ヤナギの樹上付近とその近くのエノキやアカメガシワの木の葉で、コムラサキがせめぎ合いをしているのを見かけました。今年もそのせめぎ合いをしているかをぜひ見たいものだと思って出かけたのです。

 この水辺には木曽川東岸の堤防(おかこい堤)に上るコンクリート道路の端に車を停めて、叢だらけの土手を下って、水辺近くまで行くのです。その叢には、他の北側の堤防から車が入れる道があります。日曜だったので、叢の広場では、無線操縦の模型飛行機を飛ばせているグループがありました。

 ・せめぎ合うコムラサキ

 

 水辺近くまでいくと、ヤナギの樹冠で何匹かのコムラサキが激しくせめぎ合っていました。今回見かけたヤナギの木の隣にはオニグルミの木がありました。その葉の上に、コムラサキがとまっていました。

 ・顔を下に向けて翅を開くコムラサキ

 

 見ていると他のコムラサキが飛んで来ると、飛んで行って激しくやり合って、少し経つと、そのオニグルミの葉に戻って来るのです。同じ葉ではなくても、そのオニグルミの近くの葉に戻って来るのです。とまると必ず翅を開きます。その翅の紫色の光沢が見えるようになるようにしているのだろうと推測しています。コムラサキの写真を撮ろうとすると、下から見上げてコムラサキの写真を撮っているので、殆どの場合、コムラサキは翅を開いて顔を下向きにするので、私と対面していることになります。こうした行動を占有行動と呼んでいます。

 

 今までこれほど激しく他のオスとせめぎ合うとは思っていなかったので、とても驚きました。似たような行動をするチョウといえば、すぐにヒメアカタテハを想い出します。このチョウも縄張りの占有行動があり、入ってきた他のオスを激しく攻撃します。

 ・樹幹でせめぎ合うコムラサキ

 

 コムラサキも、同じ位激しくやり合っていました。この占有行動は、メス獲得のために行動に違いありませんが、やり合っている個体の中に、翅がボロボロになってしまっているものも見かけました。

 ・メスのそばを飛ぶコムラサキのオスかな?

 

 激しいせめぎ合いをしているコムラサキは、自分の行動の意味を理解しているのだろうかと考えてしまうのです。子孫を残させるためとはいえ、疲れ果てるまでせめぎ合いをしている行動を、自然は何故行わせているのかと、いつも思ってしまうのですね!

 (タテハチョウ科 コムラサキ属)

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