セスジイトトンボとムスジイトトンボの違いは難しい!
5月22日に海津市広原の用水路に出かけました。その理由は、自宅に毎年羽化するベニイトトンボが産卵するアナカリス(オオカナダモ)が少なくなって、アオミドロだけが水面を蔽ってしまって、産卵できなくなっていたからです。
ベニイトトンボは、ギンヤンマやアジアイトトンボなどと同様に、水面上の植物の茎や稲わらなどに埋め込み産卵します。アオミドロは繊維が細くて産卵できないのです。それに較べると、アナカリスは茎の太さから言って、最適だと思われます。
●セスジイトトンボ


3年前に、セスジイトトンボが発生して産卵していた海津市広原の用水路に、アナカリスが生えていないかと思い出かけました。数年前には、綺麗に駆除されてしまいました。水の流れを妨げるからだと思われます。そこで産卵していたセスジイトトンボもいなくなっていたのです。ここ2年程は、その前を通る時にアナカリスがないか、セスジイトトンボを見かけないか確認していたのですが、全く見かけませんでした。
今年の5月22日は天気がよく暑い日でした。すると、そのアナカリスの上でセスジイトトンボが連結産卵しているのを見かけました。こんな早い時期に産卵しているのかと驚いたのです。
●連結産卵するセスジイトトンボ

ところがオスの成虫はとても綺麗な青色になります。ところがこれに似ているムスジイトトンボのオスも同様に綺麗な青色(瑠璃色)になります。長い間、この2種類のイトトンボの区別ができないでいました。ムスジイトトンボは飛島村の金魚養殖池の放棄池で見かけています。前から、この二者をどう区別したら良いのか悩んでいたのです。
ここ何年かで、このオスの両者の違いとして、①複眼の色が、セスジイトトンボは緑色で、ムスジイトトンボは青い ②肩の黒条に白い線があるのがセスジイトトンボ、殆どないのがムスジイトトンボ だと分かるようになってきました。
●ムスジイトトンボ


今回の5月22日にセスジイトトンボを見かけたのですが、ムスジイトトンボはまだ飛島村では発生していません。多分発生時期が異なるのではないかと思い、「日本のトンボ」(尾園暁、川島逸郎、二橋亮 文一総合出版)で調べてみたら、セスジイトトンボが5月上旬から9月末頃まで、ムスジイトトンボが5月下旬から10月中旬までと、時期が少しずれています。私の見かけたセスジイトトンボは発生して間もなくであり、まだムスジイトトンボはまだ発生していない時期になると思われます。発生場所ばかりでなく、発生時期も、両者を区別する際の基準になり得るかもしれないなぁと考えたのでした。
(イトトンボ科 クロイトトンボ属)